Welcome to Thai Books Online Shipping ........
Sample Products
ユーザ会員ID
:
おすすめ商品
購入
日付 : 19/01/2009 著者 : 薬丸岳 商品名 : 天使のナイフ 金額 :180 Baht
本作は第51回江戸川乱歩賞受賞作品であります。同賞の受賞作といえば謎解きを主題に置いた本格ミステリーよりも、政治経済であるとか人間ドラマを主題においた社会派ミステリーと呼ばれる作品が多いのですが、本作も良い意味で乱歩賞作品らしい作品といえるでしょう。 主題はズバリ、少年犯罪を扱っておりまして、概要をかいつまんで説明いたしますと、主人公である中年男性は、数年前に妻を複数の少年たちの手によって殺され、今では男手一つで愛娘を育てています。そして、その忌まわしい事件の傷も癒えかけた時期に、不思議な事件が次々に起こります。先ず妻を殺した少年の一人が、何者かの手によって殺害されてしまい、続いて同じく妻殺しの関係者が駅のホームに突き落とされるという事件が発生します。果たして偶然なのか、それが真犯人の狙いなのかは分かりませんが、その両方の事件に関する主人公のアリバイは無く、また以前にその少年たちに対して非常に過激な発言をしていたこともあり、主人公は真っ先に疑われてしまいます。 そんな中、第3の事件が発生して、主人公は自らにかけられた疑いを晴らすため、今回の一連の事件、そして数年前の事件との関連性を調査していく中で、昔の事件に意外な事実が隠されていることを知り愕然とする、といったお話です。
Detail
日付 : 06/01/2009 著者 : 若竹七海 商品名 : 競作 五十円玉二十枚の謎 金額 :200 Baht
今回は少々珍しい趣向の作品であります。 タイトルに競作とありますように、一つのテーマに沿って色々な人が書いた作品を集めておりまして、ただよくありがちなアンソロジーとは少々異なっております。それははじめにお題ありきで、プロ作家はもちろんのことそのお題を元に一般公募までしておりまして、しかも驚くべきことにそのお題はノンフィクションなのです。 具体的に説明しますと、若竹七海さんが昔本屋でバイトをしていた時のお話で、土曜日の午後に決まって一人の男性がその本屋のレジに訪れまして一つの依頼をするといったもので、その依頼内容が一風変わっているのです。それはタイトルを見れば想像できるかも知れませんが、五十円玉二十枚を差し出して、これを千円札に両替してくれというもので、1回や2回であれば、何だか変わった人だな程度で終わるのですが、それが数ヶ月にも渡って続くとさすがに気味が悪くなってきます。で、一体この男の目的は何ぞやということで、これがミステリー小説の世界であれば、最終的にあっと驚く謎解きがあるのでしょうが、そこは現実の世界ですからそんなに上手くはいきません。結局若竹さんはその謎を解明出来ないまま本屋のバイトをやめてしまい、真相は闇につつまれたままとなってしまうのです。 そこでその真相を究明すべく、プロ作家はもとより広く一般のアマチュア作家からもこの謎をモチーフとした推理短編の募集をかけたというのが、本作成立の経緯であります。 収録されております作家の面々はプロ作家では法月倫太郎さん、有栖川有栖さん、他にいしいひさいちさんの漫画もおさめられているという中々にバラエティに富んでおりまして、でもその中で白眉といいますか注目すべきは一般公募枠で選ばれた倉知淳さんでしょう。つまり倉知さんのプロデビュー前の作品が採用されているということで、一読の価値があるのではと思います。
Detail
日付 : 30/12/2008 著者 : 島田荘司 商品名 : エデンの命題 金額 :150 Baht
島田荘司さんの、割と新らし目の作品です。 カバーにもでかでかと書かれておりますように、本作は「21世紀本格」という仰々しい宣伝文句がつけられておりまして、では一体その21世紀の本格とはなんぞやと問われますと、無責任なようですがそれがなかなか一口では説明できません。 ただ本作に納められております作品の特徴のみで説明しますと、表題作と併録の「ヘルター・スケルター」も共に脳医学を扱っておりまして、そういった現代の先端科学と旧き良き時代の本格ミステリーが持っていた耽美な謎が結びついた時、21世紀の本格が生まれるのではないかと、少し曲解しているかもしれませんが、そんな風に読み取れます。 とは言いましても、もちろん学術論文のように堅苦しいものではなく、両作品ともミステリーの謎解きの面白さに加えてサスペンス性も味わえるといったお話でありまして、個人的には「ヘルター・スケルター」のメイントリックの部分(と呼んでいいのかどうかは分かりませんけど)は、何だかこの21世紀本格という言葉を逆手にとられたような感じで、なるほどそう来るかと感心しました。
Detail
日付 : 24/12/2008 著者 : 泡坂妻夫 商品名 : しあわせの書 迷探偵ヨギ・ガンジーの心霊術 金額 :100 Baht
随分と久しぶりの更新なのですが、まあそのことには特に触れずに本作の紹介をさせていただきます。 画像を見ると、なんだかふざけたような内容ではないかと思われるかも知れませんが、その実中身は凄いです。ネタバレになってしまうので、何がどう凄いのかと説明できないところがつらいところですが、遠まわしに説明すると一時期の筒井康隆さんの実験小説にも似た工夫が凝らされているといったところでしょうか。 物語の概要を簡単に説明させてもらいますと、このタイトルにもなっておりますヨギ・ガンジーというのが探偵の名前でして、このガンジー探偵がひょんなことからとある宗教団体の2代目教祖を決定する為の断食大会の手助けをおこなうことになります。そこに「しあわせの書」なる謎の書物が絡んでまいりまして、果たして断食大会の結果2代目教祖は一体誰に決定するのか、そして「しあわせの書」に隠された謎とは何なのか? といったところをガンジー探偵が探り当てるといったお話です。 で、そういったお話としても、ミステリーとして十分に楽しめる内容なのですが、では、前述の本作に仕掛けられたとんでもない内容とは一体なんなのかといことなのですが、これはもう読んでからのお楽しみということで、勘弁してください。
Detail
日付 : 25/09/2008 著者 : 日本推理作家協会 商品名 : 名探偵でいこう 金額 :200 Baht
日本推理作家協会によるベストミステリー選集ということで、赤川次郎さんを始めとしまして、我孫子武丸さん、泡坂妻夫さん、石田衣良さん、大沢在昌さんといったそうそうたるメンバーが名前を連ねております。 掲載されている作品も、本格物あり、時代物あり、ハードボイルド物あり、ユーモア物ありといった感じでバラエティに富んでおりまして、例をあげますと本格物であれば、腹話術の人形が探偵役として登場する我孫子武丸さんの「ママは空に消える」、学生であるタックとタカチが活躍する西澤保彦さんの「招かれざる死者」、それから時代物であれば、夢裡庵同心捕物帳となる泡坂妻夫さんの「金魚狂言」、続いてハードボイルド物といえば、「池袋ウエストゲートパーク」シリーズの一作である石田衣良さんの「エキサイタブルボーイ」、ちょっとユーモラスの味がある「らんぼう」シリーズの一作である大沢在昌さんの「あちこちら」、更にはユーモア物となりますと、マグレ警部(凄い名前だな)の事件簿シリーズ第一弾となる鯨統一郎さんの「神田川見立て殺人」、はたまた近未来物ということであれば、30年後の日本を舞台にした柴田よしきさんの「2031探偵物語」といった感じです。 というわけで、今回は著者と作品名をずらずらと並べただけで終わってしまいましたが、こういうバラエティに富んだアンソロジィは、今まで手に取ることの無かった作者の作品を色々と知ることになり、その中で新たなお気に入りの作者が見つかったりするわけで、ミステリー小説が読みたいのだけれど、どれを読んだら分からないといった人にはおすすめの一冊であります。
Detail
日付 : 09/09/2008 著者 : 山前譲 商品名 : 文豪のミステリー小説 金額 :160 Baht
その題名の通り文豪と呼ばれる人たちが手がけたミステリー小説をピックアップしたアンソロジーであります。取り上げられておりますのは、夏目漱石さんをはじめとしまして大佛次郎さん、岡本綺堂さん、山本周五郎さん、大岡昇平さんといった、まさに文豪と呼ぶにふさわしい方たちで、またそういった今で言う純文学の書き手が取り組んだ専門外ともいえるミステリー小説は、一体どのようなものであろうかと、中々に興味深い一冊であります。 ただ、ミステリー小説とは称されてはおりますが、夏目漱石さんの「琴のそら音」、大佛次郎さんの「手首」といった、どちらかといえばホラー風味の強い作品が多く、あまり本格ミステリーという感じはしないのですが、そんな中でも山本周五郎さんの「出来ていた青」、大岡昇平さんの「真昼の歩行者」といった、まさかこう来るとはといったとちょっとした驚きを持った作品も含まれております。 そういったいずれも一癖のある作品群の中ですら、幸田露伴さんの「あやしやな」はひときわ異彩を放っておりまして、それは西欧を舞台にした探偵小説で、ばあどるふ(何故かひらがなで記述されておりますが人名です)という男が熱病で死んでしまい、にもかかわらず医者のぐれんどわあ(これも人名です)は何故か病死の証明状を作成しない。そこで探偵のだんきゃん(ひつこいようですが人名です)が捜査を始めると、意外な事実が・・・といった、こんな感じで書いてしまうと、なんだよくあるミステリーではないかと思われるかも知れませんが、本作品の特異性は小説そのものが文語体で書かれているというところなのです。これはある意味以前紹介させていただいた「黒死舘殺人事件」に勝るとも劣らないほどの読みにくい探偵小説であるともいえ、一読の価値があるのではと思います。(一読では何が何だか理解できない可能性もありますが) そういった訳で、本作は個人的におすすめの一冊です。
Detail
日付 : 14/08/2008 著者 : 東野圭吾 商品名 : 毒笑小説 金額 :160 Baht
以前に紹介させていただいた、東野さんの「黒笑小説」と同じブラックユーモア短編集の中の一冊(同シリーズには後「怪笑小説」というのがあります)であります。 本作でも、他の作品ではあまり見ることの出来ない作者のブラックな部分が全開となっておりまして、そういった作品群の中でも筒井康隆さん風味の作品あり星新一さん風味の作品ありといった感じで、結構バラエティに富んでおります。 個人的には筒井さんの傑作短編「毟りあい」にも匹敵すると思える「誘拐電話網」、「名探偵の掟」の主人公「天下一大五郎」が再登場する「本格推理関連グッズ鑑定ショー」といった、なんといいましょうかいい意味で馬鹿馬鹿しい作品が気に入っております。 ただ、そういった馬鹿馬鹿しい(あくまでもいい意味です)作品群の中で、少しだけ毛色の変わった作品(私がそう感じているだけなのかも知れませんが)がありまして、それは「つぐない」という少々意味深なタイトルがつけられております。同作品の内容はといいますと、一人の中年男性が突然思い立ってピアノの練習を始めるといったもので、その男性は今まで仕事一筋で音楽になんぞ全く興味を示さなかったのに、一体どういう風の吹き回しでそういった行動をとるにいたったのかという謎が、最後に解き明かされるという、どちらかというと、正当なミステリー小説ともいえるものなのです。また、巻末に併録されている京極夏彦さんとの対談によりますと、同作品は東野さんの非常に有名な長編のもとになった(あまり詳しく説明するとネタバレになってしまうのですが)とのことで、そういった意味でもなかなかに興味深い作品であります。
Detail
日付 : 08/08/2008 著者 : 上野正彦 商品名 : 「死体」を読む 金額 :120 Baht
えらく物騒なタイトルではありますが、実はノンフィクション小説であります。著者の上野さんは医学博士で東京都監察医務院監察医という経歴を持ち、現在は法医学評論家として活躍されている、いわゆる現在日本における死体鑑定の第一人者です。 で、その第一人者が本書において一体どういったお話を展開させるのかというと、古今東西の物語を法医学の面から読み解いていこうという、ちょっと変わった内容で、ただ作中でも書かれているように、例えば推理小説をとりあげて、ここの部分は法医学的に矛盾があるとか、こういった殺害方法はありえないとか、そういった揚げ足をとるようなものではありません。著者はフィクション小説におけるエンタメ性を実現するためには、ある程度の誇張や矛盾点は必要であるということを十分理解した上で、法医学的にもう一歩つきつめて考えたらどうなるか、という内容となっております。 取り上げられている作品は、森村誠一さんの「精神分析殺人事件」、横溝正史さんの「犬神家の一族」、谷崎潤一郎さんの「鍵」等、有名な作品が目白押しでありまして、中でも興味深いのは芥川龍之介さんの「藪の中」でしょう。「藪の中」といえばそのタイトル通り、殺人事件の真相が藪の中に突っ込まれたまま終わってしまうというものなのですが、その真相を法医学的に解き明かしてみようというなんとも面白い試みがなされております。本書の中には「藪の中」全文も収められており、果たして著者の推理は納得できるものかどうか、自分であればどういった推理を働かせるだろうかと、そういった感じで読んでいただければと思います。
Detail
日付 : 31/07/2008 著者 : ミステリー文学資料館 商品名 : 江戸川乱歩と13人の新青年<論理派>編 金額 :180 Baht
ミステリーのアンソロジーが続きますが、今回も少々変わった趣向でミステリーというよりも探偵小説と呼んだほうがふさわしいのではないかと思える内容であります。 何故ならタイトルにもなっている「新青年」というのは、1920年創刊という歴史的な雑誌でありまして、本書はその雑誌の中から江戸川乱歩さんが、<論理派>という括りで各作家の代表作を抽出したものだからであります。 とりあげられておりますのは、甲賀三郎さん海野十三さんをはじめとしまして、前々回も紹介させていただきました小栗虫太郎さん、昨年紹介させていただいた大阪圭吉さん等、その時代を代表する探偵小説作家13人で、その中からさらに<理化学><心理><医学><法律><社会><その他>という形で、カテゴリーごとに細分されております。 個人的に面白かったのは、海野十三さんの「爬虫館殺人事件」で、この現代でいえばバカミスにも通ずるような真相には、驚かされます。後、木々高太郎さんの代表作である「網膜脈視症」、最後のどんでん返しに度肝を抜かれる小酒井不木さんの「痴人の復讐」等、名作が目白押しであります。是非、ご一読を。
Detail
日付 : 24/07/2008 著者 : 宮部みゆき 商品名 : スペシャルブレンドミステリー 謎002 金額 :170 Baht
今回はミステリー・アンソロジーです。ただ本作は少し趣向が変わっておりまして、1971年・1981年そして1991年の3年をピックアップしまして、その年々に発表されたミステリー短編の中から宮部さんが選りすぐった作品を並べて、同作品に対する紹介文とともにその時代時代の世相についても語ってしまうというものなのです。 そして選ばれた作品は、生島治郎さんの「男一匹」小松左京さんの「闇の中の子供」など、一見すると、これって本当にミステリーのアンソロジーなのかと思うような顔ぶれなのですが、全ての作品が日本推理作家協会が編集するところのミステリー傑作選の中からの選であり、確かに本格推理ではないかも知れませんが、いずれもミステリー的な要素が含まれております。 中でも、個人的に面白かったのが、都筑道夫さんの「首くくりの木」でして、何だか題名だけ見ると金田一耕介でも出てきそうなおどろおどろしい内容を想像してしまいそうですが、実は端正な本格推理小説となっております。内容をかいつまんで説明させてもらいますと、冒頭で主人公である私立探偵が、一本の木を探して欲しいという妙な依頼を受けます。で、その木がタイトルにもなっている「首くくりの木」ということで、探偵は色々な手掛かりを元にその木の調査をおこなうのですが、ところがその調査中に依頼者が死んでしまうというアクシデントが起こってしまい、果たして依頼者が「首くくりの木」を探していた真意はなんだったのか、そしてそれは依頼者の死と何らかの関連性があるのかといったお話です。 他にも、森村誠一さん、佐野洋さん、原寮さんの短編作品が収められており、おすすめの一冊であります。
Detail
日付 : 16/07/2008 著者 : 小栗虫太郎 商品名 : 黒死館殺人事件 金額 :220 Baht
本作はわざわざこの欄でおすすめさせていただくまでもなく、大変に有名な作品でありまして、「ドグラマグラ」「虚無への供物」と並んで日本ミステリー界の三大奇書若しくは三大アンチミステリーとまで呼ばれている作品であります。 また、その三作の中においてでさえ、本作はもっとも読みづらいと評判?の作品でして、何しろ読み進めていく内に何だかよく分からなくなって、しばらく放っておいた後、再び読み続けようとしてもそれまでの経過がすっかり分からなくなっている為また頭から読み始めて、結局またよく分からなくなって放り出してといった感じで、一体いつになったら読み終わるんだと、まあそんな小説です。 で、こんな風に書いてしまうと、おいおいそんな小説をすすめるなよ、とお叱りを受けそうですが、実は本作は今年になって再販され、以前と比べて非常に読み易く(といってもあくまでも以前の版と比べての話ではありますが)なっておりますので、この機会に挑戦してみてはいかがでしょうかということなのであります。 という訳で、一体どれほどの意味があるのかは分かりませんが、一応内容をかいつまんで説明させていただきますと、通称黒死舘と呼ばれる洋館で次々と奇妙な殺人事件が発生して、その謎を法水麟太郎という探偵が解き明かすというお話です。 自分で書いておいてなんなのですがこんな風に書くと、なんだよオーソドックスな本格推理では無いかと思ってしまいそうですが、それははっきり言って大きな間違いでして、何しろ読み始めては挫折しての無間地獄がそこには待っているという訳で、もしこの無間地獄にはまってみたいと思われる方(そんな人がいるのかどうかは知りませんが)には必読の書であるといえるでしょう。
Detail
日付 : 10/07/2008 著者 : 山口雅也 商品名 : 山口雅也の本格ミステリ・アンソロジー 金額 :200 Baht
以前に北村薫さんの本格ミステリー・アンソロジーを紹介させていただいたのですが、今回は同じシリーズで、選者は山口雅也さんです。 こういったアンソロジーでは、埋もれた名作や知られざる作者の作品をいかにバランスよく揃えるかといったところが肝で、北村さんのアンソロジーでは現編集者の大学推理研究会時代の作品とか、また有栖川さんのアンソロジーでは昔の推理漫画が入っていたりとか、中々にバラエティに富んでおりまして、そういった点では本作品も負けてはおりません。何しろ漫画だけで一つの章が構成されており、その中には山上たつひこさんの作品などが収録され、そうかと思えば意外な作家の章では星新一さんや坂口安吾さん(この人はミステリー好きで有名ですので、そんなに意外では無いかも知れませんが)の作品などが取り上げられております。そして、幻の作家たちという章では乾敦さん、宮原龍雄さんといった他では読めない作者の作品が収められており、さすがは博識で有名な山口さんのアンソロジーだという感じです。 また、もちろんオーソドックスな本格ミステリー作品も収録されておりまして、中でもSF世界に密室を組み合わせたアイザック・アシモフ、J.G.バラードといった海外SF作家の作品は個人的におすすめでありまして、そういった感じで本作は非常に贅沢なアンソロジーとなっております。
Detail
日付 : 01/07/2008 著者 : デイヴィッド・フィッシャー 商品名 : 証拠は語る FBI犯罪科学研究所のすべて 金額 :250 Baht
珍しくノンフィクション作品です。それも犯罪科学研究というどちらかというとお堅い内容でして、具体的にはFBI犯罪科学研究所の検査官が、たった一本の毛髪やひとかけらの飛行機の破片などから、事件の全貌を明らかにしていくといった推理小説顔負けのお話となっております。 FBIといえば「X-ファイル」とかの海外ドラマや映画での印象が強くて、何だか未知のものを調査したりとか派手なアクション活劇をおこなったりとかそういうイメージがあるのですが(それは私だけかもしれませんが)、本書ではそういった派手な描写は一切無く、実際の捜査活動というのは非常に地道な努力によってささえられているのだということが分かります。 扱われているものは、定番の指紋や爆弾、それから筆跡や毒物といったものまでさまざまであり、また文章が過度に装飾されておらず、何となく報告書を読むような感じでもあります。そんな感じでエンタメ小説のように続きが気になって一気に読み終えてしまうといったものではないのですが、地味ではありますが知的興味をかきたてられる内容でして、例えば推理小説の執筆を考えられている人(あんまりいないかも知れませんが)には、必読の書であるといえるでしょう。
Detail
日付 : 23/06/2008 著者 : 島田荘司 商品名 : 本格ミステリー館 金額 :200 Baht
今回は少々懐かしめの作品を紹介させていただきます。とはいいましても、1991年の作品ですから、そんなに昔の作品ということでもないのですが、本作を読み返しますと書かれた時代の空気が感じられるような気がするのです。どういうことかといいますと、本作は島田荘司さんと綾辻行人さんの対談形式になっておりまして、つまり新本格ムーブメントの旗手である綾辻さんと、その綾辻さんを世に送り出した島田さんのお二人による当時の本格ミステリー論が展開されるという非常に贅沢な内容なのであります。 で、その贅沢な内容なのではありますが、実は一筋縄ではいきません。なぜならば、お二人の対談内容が、誤解を恐れずに言うと最初から噛み合っていないという妙なことになっておりまして、よくこういう対談にあるがちな、お互いに相手の意見を褒めあって、予定調和でめでたく終了するといった形には全くなっていないからなのです。具体的な内容と、果たしてどちらの意見が正鵠を射ているのか(まあ意見がすれ違っているだけで両方とも正しいといわれればそれまでなのですが)等については読んでいただいて判断してもらうしかないのですが、何故二人の対談が噛み合わなかったのかその辺りのところは単行本時の後書きと、それから数年後に書かれた文庫本後書きで色々と触れられており、なるほどそういう時代背景があったんだなと、そんな風に納得してしまいます。 という訳で、何だかよく分からない紹介文になってしまいましたが、本書はそういった歴史的な意味のある(ちと大袈裟か?)一冊であります。
Detail
日付 : 11/06/2008 著者 : 浅草キッド 商品名 : 本業 金額 :180 Baht
浅草キッドの水道橋博士さんによる書評本です。それも書評対象がタレント本のみという一風変わった内容です。取り上げられている作品も矢沢栄吉さんから劇団ひとりさんまでといった帯文句の通りバラエティにとんでおりまして、ただやはり水道橋さん自身がタレントなのですから、どちらかというと著作者との交遊録的な面が強いのではありますが。 ただ、そんな中でも山城新伍さんや高倉健さんの著作については、水道橋さんの思い入れが強く現れており、また文章の上手さ(この人の文章は、駄洒落による言葉遊びとか、少々強引な例え話の多用とかが前面に立って、どうしてもお笑いタレントの書いた文章という目で見られてしまうのですが、そういった点を除いたとしてもリズミカルで読みやすく、個人的には著名な文筆家にもひけをとらないと思っております)も相まって、是非書評対象になった本を読んでみたいなという風に思わされます。 また、本作のいたるところに作者の本という媒体に対する熱い思い入れが滲み出しており、何故水道橋さんが本職のタレント業よりも効率の悪い執筆業に力をいれるのか、そして現在の出版不況に対して自分だったらどのように動くかといったところまで書かれているのです。 そこで本書のタイトルについてですが、何故「本業」と名付けられたのか、それは単純に書評本と「本」を重ね合わせたという意味もあるのですが、作者はタレント業の片手間いわゆる副業で著作業をやっているのではなく、実はこちらの方が自身が本当にやりたい仕事つまり本業なんだよと強く訴えているような気がします。
Detail
日付 : 26/05/2008 著者 : 東野圭吾 商品名 : 黒笑小説 金額 :150 Baht
東野圭吾さんといえば、直木賞作家であるとともに本格ミステリー大賞の受賞者ということで、ミステリー界の第一人者というイメージで受け止められることが多いと思うのですが、実は個人的には本書のようなユーモア小説の方が好みでありまして、以前ここで紹介させていただきました「名探偵の掟」も、かなりユーモアを強調した作品でありましたが、ここでは更にそれを突き詰めています。 本書は短編集となっておりまして、まず冒頭に収められております作品のタイトルが少し意味深です。それは「もう一つの助走」というものでして、で、もう一つのとうたっているからには当然オリジナルがある訳で、それは筒井康隆さんの「大いなる助走」を指しております。この筒井さんの作品は書かれた当時作者が何度候補になっても直木賞をとることが出来なかったことを逆手にとって、その文学賞の裏側をおもしろおかしく皮肉った作品で、筒井さんならではのブラックなユーモアが散りばめられており、発表当時はかなり話題となりました。そこで同作品をモチーフにしたこの「もう一つの助走」なのですが、当然この文芸界での文学賞受賞がネタになっており、何度も文学賞の候補に挙がったベテラン作家が、念願の賞を受賞できるかどうかというお話です。 ただこの作品を発表した後に、東野さんは実際に直木賞を受賞してしまっている訳で、そうなると、何だよ自虐ネタだったのが単なるイヤミになってしまったではないかともとられてしまうところが少々つらいところです。まあそうはいいましても、候補になること5回以上で落とされるたびにヤケ酒を飲んでいたという作者ならではのブラックな部分が存分に発揮されており、これはこの人しか書けないだろうなあとも思わされてしまいます。他にも同じ舞台を扱った「線香花火」「過去の人」「選考会」といった短篇群があり、そういった文壇事情の裏側に興味のおありな方には必読の書(まちがった情報を植えつけられる可能性もありますが)といえるでしょう。
Detail
日付 : 20/05/2008 著者 : 東川篤哉 商品名 : 完全犯罪に猫は何匹必要か? 金額 :180 Baht
前回とはころりと変わりまして、今回はユーモアミステリー小説です。(まあ前回の町田さんの作品もユーモア小説と呼べないこともないのですが) 内容を紹介させていただきますと、先ずプロローグの部分により10年前におこった殺人事件の概要が語られます。それは何故かビニールハウスの中で男性の死体が発見されたというみょうちくりんなもので、結局その事件は迷宮入りのまま終わってしまいます。そして話は現代へと移り、一人の私立探偵が三毛猫を探している場面となるのですが、何故何の脈絡も無く三毛猫なのかというのが、この話の肝でありまして、実はこの物語の鍵は猫が握っているということなのです(といっても三毛猫ホームズのように、猫が事件を解決するのではありません)。 で、私立探偵が何故三毛猫なんぞを探しているのかというと、クライアントからそういった依頼があった為で、しかも一匹の三毛猫を探し出す報酬が何と120万円という(猫にしては)法外な報酬が約束されているからなのです。ところがお目当ての猫は一向に見つからない、そればかりか、何と依頼主が殺されてしまうという事件が発生してしまうのです。しかも殺された場所は10年前と同じくビニールハウスの中、更にそのビニールハウスの出口にはなぜか巨大な招き猫の像がおかれていたとのことで、まあその招き猫自体は、もともと依頼主の玄関前にオブジェとして置かれていたものらしいのですが(それもまた凄い設定ではありますが)、果たしてその招き猫は何のために置かれたのか、それから失踪した三毛猫は一体どういう係わり合いがあるのか、といったところを私立探偵プラス担当の刑事が暴いていくといったお話です。
Detail
日付 : 07/05/2008 著者 : 町田康 商品名 : 告白 金額 :300 Baht
先ずは内容を簡単に紹介させていただきますと、本書は河内音頭にも歌われております大阪府南東部の赤坂水分で実際に起こった「河内10人斬り」という事件を元に描かれた長編小説で、長編としては以前ここで紹介させていただいた「パンク侍斬られて候」に続くものとなるのですが、前作がほぼエンタメ小説に近いものであったものに対して、本作は「人はなぜ人を殺すのか」という恐ろしく重いテーマを扱っており、町田版「罪と罰」のような小説です。 主人公はもちろん10人斬りの主犯である城戸熊太郎その人であり、熊太郎の少年時代から事件を起こすまでの軌跡が克明に描かれております。ただ本作はドキュメンタリーでは無いので、克明に描かれているとはいってもそこは町田さんが創造するところの熊太郎なのですから、それは尋常な人物ではありません。頻繁に話の中に現れてくる特徴として、この熊太郎という男は、非常に思弁的であるということで、これはどういうことかと申しますと、要は自分が心の中で思索していることが上手く言葉として表現できない。心の中では様々な思考が渦巻いているだけれど、逆にそれがゆえに言葉にするとなんだかあさっての方向へ行ってしまう。熊太郎はそんな自分を特別視して、もし言葉と考えが一致するときが来れば、その時は己が破滅するときであろうとまで思いつめます。 でもよく考えてみれば、別にそれは特別なことなどではなく、程度の差ほどあれ人間誰しも思っていることをそのままずばりと口にしている訳ではなく、もしそんなことをやっていればあちらことらでつかみ合いの喧嘩が起こってしまうので、そうならないよう皆色々と社会と折り合いをつけながらやっている筈で、その点、この熊太郎という男は単に生き方が下手なだけだともえ言えるかもしれません。 で、最初の頃はまあ、なんだか妙な話だなあと笑って読み進めていけるのですが、最終的にその熊太郎が10人斬りをしでかしてしまうのは、歴史上の事実であり、この歴史を変えることは出来ない。ということはどう転んでもバッドエンドになる訳で、そういった感じで物語が転がり始めると、少々つらくなり、また熊太郎に感情移入していると更につらい。また、この熊太郎に感情移入できるということ自体が別の意味でつらい。つらいつらいが何乗にも膨れ上がって、最終的には虚無が残ります。そんな小説です。(何のことやら)
Detail
日付 : 02/05/2008 著者 : 我孫子武丸 商品名 : 弥勒の掌 金額 :150 Baht
本格ミステリー作品が続きまして、今回は我孫子武丸さんです。我孫子さんといえばゲーム「かまいたちの夜」の脚本家としても有名ですが、本書や「殺戮にいたる病」等、結末において読者をあっと驚かせるような本格ミステリー小説の書き手としても有名であります。 ただ、そう書いておいてなんなのですが、厳密にいえば本書は本格ミステリーとは呼べないかもしれません。というか作者自身もこの作品は本格ではないでしょうと発言しておりまして、何故なら、事件の記述に少々アンフェアな部分がありまして、読者が物語の奥に隠されているな謎を自力で解き明かすにはちと困難なのではないかと思えるからです。(実際私もころりと騙されました) もちろん、本格ミステリーでないから駄目だなどということは全然無く、画像の帯にも書かれておりますように、この驚愕の結末を読んだ後では、フェアだアンフェアだとか、本格だ、いやそうではないなどという瑣末なことはどうでもよくて、ただただ面白ければそれでいいんじゃないのかと、個人的にはそう思います。(別に誰かが本書を称して、本格じゃないから駄目だと言った訳ではないのですが) で、内容についてですが、二人の主人公が登場しまして、一人は高校教師、もう一人は刑事と、それぞれが教師は失踪した妻の行方を追っていくうち、刑事は殺された妻の原因を探るうちに、ある新興宗教団体に辿り着きます。二人はその宗教団体本部で知り合いとなり、共同捜査を始めることにしたのですが・・・といったお話です。 という訳で、結末で驚きたい人(どんな人だ?)は、是非ご一読を。
Detail
日付 : 25/04/2008 著者 : 島田荘司 商品名 : 斜め屋敷の犯罪 金額 :180 Baht
恐らくこのおすすめ商品において、最多出場の島田荘司さんです。 今回は割と初期の作品でありまして、時系列的にいきますと、一番最初に紹介させていただきました「占星術殺人事件」の次に発表された作品にあたり、本作でも探偵「御手洗潔」が登場して、事件を鮮やかに解決します。とはいいましても、今回の御手洗潔は前作と異なり、あっという間に事件を解決してしまいますので、実際に登場するのは物語の半分を過ぎてからということになっておりますが。 話の筋を簡単に説明させていただきますと、北海道の宗谷岬に通称斜め屋敷と呼ばれる建物があり、何故それが斜め屋敷と呼ばれているのかというと、建物がなんと斜めに傾いて建てられている為(そのままやな)なのです。 で、その斜め屋敷に集まった人々の前に起こる不思議な事件、窓の外に現れた不気味な人形、それから完全な密室状況で発生した殺人事件、如何にして犯行はおこなわれたのか、そして犯人は誰なのか、といったところを後から来た御手洗潔が解決するというお話です。 本作について語る際に避けて通れないのは、その奇想天外なトリックでありまして、前作とは違った意味ではっきりいって凄いです。それは作者が得意とする大掛かりな物理トリックなのですが、おいおいここまでやるかというような感じでして、果たしてこんなことが実際に実現可能なのかどうかと突っ込むことは可能なのですが、実際読んでもらえればそういった突込みは全く意味が無いものなんだなということがわかります。ぜひ、ご一読を。
Detail
1
2
3
4
5